2015年10月アーカイブ

12周年に当たって

12周年〜開業後13年目初日の記念すべき日も、あっという間に忙しく過ぎてゆきました。グリークをライフサイクルの片隅に入れて下さっている多くの方々には、本当に感謝の念に堪えません。

思えば12年半前、人生初の開業に向かっての初めての具体的アクションは、周りの同志の仲間たちが当たり前に行う物件探しでも、図面引きでも、経営や採算の計画立案でもありませんでした。

それは、治療院の名前の商標登録だったのです。専門学校同期の仲間とのコミュニケーションを通してもあまり話題にならないことで、この業界では珍しいことだったと思います。でも、ずっと、自分の胸のうちでは温めてきたことで、ごくごく親しい友人にしか話していませんでした。開業する屋号の名前の知的財産としての権利化でした。たかが名前、されど名前なのです。

自宅の最寄り駅の直ぐ近くの小さなビルに入っていた特許事務所に相談に行くことから始めました。現状調査、出願、公開審査、登録査定までの各種手続きや期間を考えると、一番最初にやるべきだと思っていたのです。

「グリーク」の由来は、この院長ブログの最初の記事「グリークって?」(2004年5月)をご参照下さい。

脱サラ前は医薬品の研究開発に携わってきたのですが、発明を権利化する特許を初め、実用新案、意匠そして商標と、知的財産権の重要性は嫌というほど味合わされてきました。海外からの技術導入や共同研究等のライセンス契約の検討や評価にも、数々携わる中、薬やそれを生み出す技術以外に、それを周りから支える法的な支援体制がいかに重要であるかは、この時代に身につけたものだと思います。

特許事務所の商標の担当者は、叩き上げの感じで、本当に優しいお人柄の方でした。一から自分で何もかも切り開いてゆかなければならない張り詰めた状況の中、とても安心できてほっとする方でした。この特許事務所はその後移転してしまい、又お世話になった担当の方も定年退職して辞めてゆきましたが、この頃の緊張を交えた船出の一幕が今でもとても懐かしく想い出されるのです。

また最近とても嬉しいことに、新しいお客さんや常連さんに混じって、5,6年ぶり、7,8年ぶり、中には10数年ぶりと言った、凄く久しぶりの方々が、再び来院されるようになったことです。まるで古い昔の友人との関係が復活したような感じで、とても懐かしく嬉しく思います。

そして、様々な形で患者さんを治療している中で、実は自分が治療家として、そして一人の人間として、育て上げられているのだとつくづく感じます。本当に感謝、感謝の日々です。有難うございます。

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